TVアニメ『22/7』

こんにちは。

ちはやふる』というアニメを見始めたら止まらなくなってしまいました。毎秒毎話の面白さだけでなく、よく練られたプロットが見えるような展開の数々が非常に熱く、心理描写も鮮やかで、キャラの苦悩・挫折と成長が丁寧丁寧丁寧に描かれている、アイドルアニメオタクもにっこりのカルタアニメです。見る以外の選択肢がない。

 

それはさておき、ここでは『22/7』というアイドルアニメについて語りたいと思います。個人的には今期の中では中の上程度のアニメなのですが、周りの評価が余りにも低いため、こういう見方もあると感じてもらえるように記事にしました。

 

9話までのネタバレを含んでいるので悪しからず。10話はまだ見ていないので、そこはすまん。

 

まず、このアニメの背景について。秋元康がデジタルアイドルグループ「22/7」をプロデュースし、オーディションにより選ばれたメンバーが出演する形でアニメが制作される。制作はA-1 Pictures

 

次に、このアニメの9話までの内容について簡単におさらい。

滝川みう藤間桜河野都佐藤麗華戸田ジュン丸山あかね立川絢香斎藤ニコルの8人が「壁」に従う芸能事務所G.I.P.に召集され、「22/7」通称ナナニジというアイドルグループを結成。謎の存在「壁」から出される指令に彼女らは従うことでトントン拍子に人気アイドルグループに成長。そして第9話の最後に壁から下された指示は「解散せよ」の6文字。

となっています。各話でいえば

第1話 「さよなら、私のささやかな世界」 22/7結成

第2話 「めまいの真ん中」 22/7練習

第3話 「こんにちは、新しい世界」 22/7初ステージ

第4話 「約束に咲く花」 藤間桜

第5話 「ひっくり返せばええねんで!」 河野都

第6話 「偶数と奇数の間」 佐藤麗華

第7話 「ハッピー☆ジェット☆コースター」 戸田ジュン

第8話 「ゆめみるロボット」 丸山あかね

第9話 「お星さまのララバイ」 立川絢香

第10話 「さよなら、私たちの世界」 未視聴

という構成。まあ普通ですね。最初の3話がクソつまらない。次の6話は面白い。平均的に中の上と言ったところです。とにかくみうとニコルの台詞が少なければ面白い。

 

まず、全話を通して内容以外で良い点。

作画ですね。A-1 Picturesがリソースをこれでもかと大量投入しているので、今期の中では上位です。キャラだけでなく、背景や小物に至るまでしっかり描かれているため、それだけでも評価されるべきです。特に、各話の見せ場となるシーンは心理描写に合った美しい色彩で、今期最上位クラスの美術なのは疑いようがありません。 

次にCG。第3話のライブのCGはデレステやガルパ、SHOW BY ROCK!!等の良質なものと比べれば確かに劣るけれど、特段悪いと言えるほどのものではありません。むしろ第8話では良いと言える程度に上手くできています。

最後にED。元々アイドルプロジェクトなので曲はアニメ関係なしに用意してあったんじゃないかと思うんですけど、回毎に変えるのは良いですよね。作画は静止画メインだとしても。

 

悪い点。

キャストの演技力ですね。これに関してはそういうプロジェクトだからという他ないです。秋元康プロデュースのデジタルアイドルを公募し、オーディションで選んだということで、中の人はそれまで素人ですからね。擁護する気はありません。

 

本題に入りましょう。内容です。

反論という形で述べる方が述べやすいので、Twitterで見られた意見に対する反論という形で書きます。

 

アイドルアニメなのに壁の指示に従うだけでトントン拍子に売れてつまらない。ご都合主義だ

???ですよ。このアニメの根幹を間違えているんじゃないですか?

このアニメは「秋元康プロデュースのアイドル」アニメなんですよ。ということは、むしろこのアニメで描きたいのは、「壁の指令に従うだけでトントン拍子に売れるアイドル」なんですよ。そして、「壁の指令が意図に反するもの、あるいは壁の指令がなくなったときに、彼女らはどう決断するか」を描きたいはずなんです。まだ最新話見ていないので何とも言えないんですけど、第9話の指示が「解散せよ」だったので合っているんじゃないですか。

「壁と22/7」を「秋元康と48/坂道グループ(プロデューサーとアイドル)」と採るか、「大人たちと子供たち」と採るかは確たる解釈をできる段階にないけれど、とにかく「指示に従っているだけでよかった存在」が「指示に対し反抗/自立」することをコンセプトに作られているのではないでしょうか。

だとすれば、このご都合主義だという意見は、アニメ『バビロン』を見て「ありえない。茶番だ」というのと同じなのではないでしょうか。

 

P.S.

48/坂道グループ等のアイドルグループを指示に従うだけで売れてしまう、努力をしていない集団として考えているわけではありません。悪しからず。