見るべきアニメ10選

祝!卒業要件達成!!!

 

ということで卒業が確定しました。同期のみんなもおつカラーズ☆

世間では、異種族レビュアーズが次々と放送自粛になってしまい、世界中が大パニックになっているところですが、僕個人はと言えば、人生最後のモラトリアムを淡々とアニメレビューに費やしているところです。アニメを見るには、人間の生涯はあまりにも短すぎる。そんなことを感じられる、インフィニット・デンドログラムをみんなも見よう。デンドロから逃げるな。

 

前置きはこれくらいにして、題の通り見るべきアニメ10選です。選定者は僕ただ一人。俺が正義だ。

 

今回の選出は面白い順に10個ではなく、見るべき10個です。見て欲しいなんて甘えた表現ではなく見るべきアニメです。面白さはもちろん保証します。

 

やがて君になる

皆さんもう見てますよね。なんなら原作も揃え終わっていると思います。でも選ぶ。

ジャンルは百合です。レズです。高田憂希寿美菜子、そして茅野愛衣の演技の殴り合いです。

個人的に百合作品ってそんなに好きじゃないんですよね。いくつか百合作品に触れましたけど、どれも感度が高い人向けというか、これを見て何を想えばいいんだろうというものが百合作品には多いんです。でもこれは違う。

なんていうか、感情が質量を持って飛んでくるんです。筋道立って計算された論理で脳に理解される。見やすさに衝撃を受けた作品。

話以外の点でも、作画音響演出演技全てにおいて完成され尽くしたアニメなので、見て損はないと思います。

 

ピンポン THE ANIMATION

ノイタミナ枠の卓球アニメです。非常にノイタミナらしい作画に加え、ピンポン玉が刻む小気味よいリズムが癖になります。

天才卓球少年ペコとスマイルが、才能に憧れ努力し続けた卓球選手たちとの勝負を通して成長していくという話です。はっきり言います。俺強系です。量産型俺強系とは一線を画す努力と才能の俺強系です。根底に卓球が好きで、卓球から逃れられないとさえ感じるような少年たちの、泥臭い青春の俺強系です。

とりあえず1話見ましょう。次の瞬間には次の話に手を出しているはずです。 

 

狼と香辛料

最近?原作の新刊とVRアニメが発売されました。タイトルくらいは聞いたことがあるって人が多いんじゃないでしょうか。2009年に2期放送なので10年以上前のアニメですね。僕は一昨年に初めて見ました。絵が古い!

はい。絵が古いです。絵は古いんですけど、それ故にか狼と香辛料の世界に呑み込まれます。呑み込まれたが最後出て来れません。

行商人ロレンスと狼の化身(ケモミミ美少女)ホロが、ホロの故郷を目指して2人で旅をする物語です。

中世ヨーロッパ風の世界が舞台で、量産型RPG異世界とは違った、どこかにあった異国を思わせる世界が、物語への旅路となります。

見ていると何だかとても懐かしい気分になると思います。絵が古いからではない。

 

リトルウィッチアカデミア

TRIGGERです。TRIGGERです。

キルラキル』『プロメア』『SSSS.GRIDMAN』ばかり有名でなぜか知名度が低い。めちゃくちゃ面白いのに!

映画2本とTVシリーズ2クールもあるのに!

キルラキルとプロメアはグレンラガンおなじみ今石洋之が監督を務め、中島かずきが脚本を書いていますが、リトルウィッチアカデミアグレンラガンのメカデザの吉成曜が監督を務めています。TRIGGERの次回作BNAは監督吉成曜脚本中島かずきですね。期待が高まる。BNAは諸星すみれ長縄まりあが出るらしいです。

日本人の少女アッコが魔女育成の学校、ルーナノヴァ魔法学校で魔法を学ぶ、学園モノ冒険譚です。アッコが魔女シャイニー・シャリオに憧れて学園に入学するところから物語が始まります。

アッコは大変落ちこぼれで、ホウキに乗って空を飛ぶことすらままならないのですが、それでもシャリオのような魔女になることを夢見てルームメイトやクラスメイトと協力や衝突を繰り返し、少しずつ成長していきます。

その過程の描き方が非常にTRIGGERらしさを感じさせます。キルラキルやプロメアほどのハイスピードではないですが、アッコの学園生活を、あまりにも丁寧かつ大胆なカートゥーン系の作画に乗せてコミカルに描いています。

先ほども言いましたが、監督吉成曜です。この人、画力が桁違いです。言いたいことは分かるな?

若手アニメーター育成プロジェクトアニメミライ2013』の作品。

公開順は映画『リトルウィッチアカデミア』→映画『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』→TVシリーズリトルウィッチアカデミア』ですが、どれから入ってもいいと思います。おすすめはTVシリーズから。

 

 

HELLSING OVA

OVAです。間違えないでください。TVシリーズなんてありません。

原作から20周年記念でBlu-ray BOXが出たので買いました。パッケージがめっちゃかっこいいです。

吸血鬼と吸血鬼ハンターのバトルアニメです。原作平野耕太

王立国教騎士団(通称ヘルシング機関)に属する対吸血鬼用吸血鬼アーカードが吸血鬼やらカトリックやらとドンパチする話です。ロンドンがナチスの残党によって火の海になります。作者ヒラコーがロンドンで受けた不快な出来事に対する報復という逸話があります。スタイリッシュ国際問題。宗教とか歴史について詳しくなくても楽しめます。

バトルアニメなんで特に書くことがないのですが、とにかく桁違いに、強い!!!かっこいい!!!熱い!!!面白い!!!!!です。見ればわかる。

キャラが凄くいいんですよ。ここまですべてのキャラに萌え萌えの燃え燃えになるアニメ、そうそうないと思います。キャラのこと書いても伝わらないと思うので、キャスト書き連ねておきます。中田譲治榊原良子折笠富美子清川元夢浪川大輔朴璐美平田広明五十嵐裕美飛田展男白石涼子子安武人高木渉大塚芳忠坂本真綾沢海陽子若本規夫速水奨斎賀みつき甲斐田裕子檜山修之

参考までに少佐演説載せておきます。  

 

 

プリンセス・プリンシパル

Studio 3Hzアクタスの合作。

3Hzは『天体のメソッド、』『ソードアート・オンライン  オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』が有名ですかね。同社『フリップフラッパーズ』『ライフル・イズ・ビューティフル』も非常に良質なアニメです。今期のA3!は修行したい人や自分を罰したい人にお勧めです。

アクタスガルパンが有名ですね。あとはガルパンが有名。

女の子×スパイアクションのアニメです。コンセプトがもう最高ですね。

見どころといえばやはりアクションでしょう。スパイと言えばアクション。Not隠密。前述の作品群にも負けず劣らずの素晴らしい作画で、圧倒的テンポ感で走って跳んで殴って撃って斬ってですよ。飛空艇の表層を機銃掃射を避けながら走るシーンがあるんですけどね。映えですよ。映え。映像映えが半端ない。話も単話完結で見やすく、飽きずに見続けられるのがポイント。そのうえ壮大で大変面白い。

全6章の映画第1章が4月10日上映開始。今すぐ見ろ。

 

ガールズ&パンツァー

ガルパンはいいぞ

わざわざ記事を書くまでもないのですが、身の回りのオタクがあまり話題にあげないので。

女の子×戦車。タイトル通りのコンセプト。大変すばらしい。

たかだか12話のアニメになんでこんなにキャラが多いんだってくらいのキャラ数だけれど、キャラデザが半端なく良い。なんでこんな描き分けられるんだ?

でも本質はキャラ萌えじゃないんですよ。とにかく熱い。

戦車道をやめる道を選んだ西住流家元の娘、西住みほが、転校先の学校で、もう一度戦車道に向き合うことになる。みほは素人ばかりの学校で、一から戦車道を指揮し、全国大会を勝ち進む。そして決勝戦で、姉のまほが率いる古巣、黒森峰女学園と激突する。

なんだ、百合か。

今のはTVシリーズの内容だけれど、劇場版はこの比じゃない超超超激熱展開です。371日間の上映記録は伊達じゃない。

監督水島努、音楽浜口史郎。『SHIROBAKO』『荒野のコトブキ飛行隊』もこのコンビです。

 

f:id:spds:20200302201748j:plain

僕の推しはもちろんカチューシャ

 

てさぐれ!部活もの

さぁ、カメラが下からグィ~ッとパーンしてタイトルロゴがドーン

世界一有名なOPの出だしフレーズですよね?(圧力)

監督石ダテコー太郎、アニメーション監督たつき、アニメーション制作ヤオヨロズたつき×ヤオヨロズといえば『けものフレンズ』が有名ですね。

直近のアニメだと『ひもてはうす』をイメージしてもらえばいいです。それです。それと比べ物にならないくらい面白いけど(個人差があります)。『直球表題ロボットアニメ』の方が伝わる人はそれで。

どんなアニメかというと、普通のアニメは絵に対し声優が声を当てるアフレコに対し、声を先に収録して、それに絵を当てるというプレスコのアドリブ満載声優大暴れ大喜利アニメ。声優イベとかラジオみたいな感覚で楽しめます。

キャストは西明日香明坂聡美荻野可鈴大橋彩香上田麗奈水原薫。嫌な予感しかしないぜ。上田麗奈の1人30役が有名ですね。

何が良いってとにかく笑える。とにかく楽しい。キャラの初期設定があるはずなのに、アドリブに合わせてどんどんキャラ設定が書き換わったり、中の人ネタでいじりあったり、下ネタ連呼したり、もうなんでもありですよ。

キャストの頑張りも凄いんですけど、スタッフの頑張りも物凄い。OPにもEDにも遊び心満載で、1期では12話かけてEDが成長。2期ではOPにアドリブが付いたり、EDが全話違ったり。

余りの人気ぶりに、ただの15分アニメのはずが連続2クールで24話放送+他作品とコラボして30分12話でリターン。他作品とコラボ!?

なんと『みならい女神 プルプルんシャルム』という映像化されていない漫画をてさぐれ!はアニメ化してしまったのです。

ということで追加キャスト三上枝織大久保瑠美小松未可子高森奈津美上坂すみれ。いいんですか!?

番外編、中の人たちが旅行をする『てさぐれ!旅もの その4』が先日2月19日に発売しました。3期から5年目だぞ。人気すぎるだろ。

中の人が好きなら見て間違いはない、というより、見たら中の人が好きになる一作。へごちん可愛いが過ぎるだろ!

 

f:id:spds:20200303204230j:plain

左から明坂聡美(巨乳の姿)、荻野可鈴大橋彩香西明日香

 

さくら荘のペットな彼女

J.C.STAFFの数少ない面白いアニメ。

これもラノベ原作でかなり有名なアニメなので、書くまでもないけれど紹介します。

まずスペック。原作は『青春ブタ野郎シリーズ』の鴨志田一、監督は『ノーゲーム・ノーライフ』『宇宙よりも遠い場所』のいしづかあつこ、シリーズ構成は『とらドラ!』『GOSICK-ゴシック-』『花咲くいろは』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』『さよならの朝に約束の花をかざろう』の岡田麿里。無敵か?

奇人変人が集まるさくら荘という学生寮の住人たちが夢を追いかける青春学園モノ。正直夢を追いかける部分はどうでもいいです。いや、よくないんですけど。

このアニメの見どころはやはり正当な「青春学園モノ」であるというところでしょう。アニメは主人公が神田空太が高校2年生の春から高校2年生の終わり、そして3年生になったところまで描かれます。その間にいろいろな出来事が起こるのですが、特に文化祭と卒業式を物語の盛り上がりのピークに置いています。この僅か2話のためだけに全ての物語を書いているのかと思うくらい、この2話の演出がとにかく秀逸です。さくら荘という閉じた集団が、学生たちが集まる場で、全力で内に秘めたる思いを叫ぶという構造が劇中の聴衆のテンションを引き上げ、それに視聴者が当てられる形で彼らのドラマが心に深々と突き刺さります。

このアニメ24話見るだけで、青春の1年間を追体験できるのです。

 

P.S.

序盤はそんなに面白くないけど切らないで。具体的には8話からが勝負。12話が最強。

最終話と最終話前話は個人的にアニメ史上最高の最終話と最終話前話です。マジで見ろよ。

 

f:id:spds:20200307223144j:plain

普段はコンタクト、オフ時は赤眼鏡、焦ると関西弁が出てしまう頑張るヒロインの代名詞、青山七海

 

CLANNAD

CLANNADは人生。よく聞くフレーズですね。
京都アニメーション制作のKey作品。泣きアニメの代表作。
原作は学園恋愛ノベルゲームで、女の子が演劇部を作るのを主人公が手伝うという話を主軸に、多数のキャラのルートを消化しつつも、メインのルートを貫き通す形になります。
全48(44+OVA4)話あるため、人に勧めづらいのが難点なんですが、決して見づらいわけではありません。話数は確かに48話あり、日常ギャグパートが主なのですが、相当数の小さな話で構成されておりピークは多いので、平均的な泣きアニメを4クール見るよりパフォーマンスが良いです(最初の大きいピークは9話目なのでそこは勘弁)。話の区切りが曖昧なところもありますが、1期が5+OVA2、2期が9+OVA2個の話で構成されており、1つの話で複数回感傷的なシーンがある事が多いので、20回以上は感傷に浸れるわけです。

アニメをパフォーマンスで語るなと突っ込みが入りそうなのでもっと内容に触れると、このアニメのメインのシナリオは「幼くして母親を亡くし、父親に男手一つで育てられた主人公岡崎朋也は、ある日父親と大喧嘩をし、それ以来2人の中は険悪になっていた。そんな中で出会ったのが古河渚であった。渚は身体が弱いため留年しており、人見知りをするため友達も少なかった。しかし、彼女は両親から目一杯の愛情を注がれており、とても幸せな家庭であった。朋也は渚の家族や友人との出会いの中で、家族の絆を知るのであった」といったところになります。このメインのシナリオは「親子」の愛情を描いており、サイドのシナリオも「親子」「兄弟姉妹」といった家族の愛情を中心に描いた作品になっています。なので、非常に感情移入しやすい話が多く、それらを京都アニメーション渾身の作画と音楽で盛大に演出してくれます。

また、Key作品の特徴として、基本パートはギャグシーンが多いというのがあり、CLANNADもその例なのですが、京アニ作画に加え、『銀魂』の新八や『血界戦線』のレオナルド・ウォッチなどの鋭い突っ込みをする役でおなじみの阪口大助さんをはじめとするレジェンド的声優陣のおかげでしっかり笑えるものになっています。なので、ただの泣きアニメではなく、何度も笑えて何度も泣けるアニメです。
CLANNADを見ようか迷っている方、まずはCLANNAD ~AFTER STORY~の7・8話の2話だけで良いので見ましょう。CLANNAD ~AFTER STORY~の5・6話と7・8話は他の話との関係が少ない、独立した回になっています。

 

P.S.

dアニメストアにはHD画質がなく、また、OVAが入っていませんが、OVAには「朋也と渚のデート」「智代ルートED」「朋也と出会う前の渚」「杏ルートED」という本編を超えかねない話が入っています。みんな、円盤買おう?

 

終わり

 

手洗いうがい、推しへの祈りを欠かさないようにしましょう。

 

P.S.

『劇場版「SHIROBAKO」』絶対に見ろ。マジで。個人的アニメ映画史上最高なので。

dアニメストアに最近来た『劇場版 幼女戦記』もここに書きたいくらい面白い。TVシリーズ見なくても圧巻の作画とテンポで十分に見られるはず。TVシリーズ見るべきではあるけれど。

ご報告があります。

本日よりBanG Dream! 3rd Season放送開始です。

RAISE A SUILEN 4th Single「DRIVE US CRAZY」も買ってください。

GJ部を見てください

令和元年も残すところわずかとなりました。今年も素晴らしいアニメがたくさんありましたね。今期のおすすめは星合の空とバビロンです。ぬるぺたも80分足らずで全話見られるので見てください。

 

それはさておき、突然ですがみなさんはGJ部というアニメをご存じでしょうか。2013年冬に放送されたゆるふわ日常部活モノアニメです。主演の内田真礼さんはこの記事を書き始めた前日に誕生日を迎えられ、三森すずこさんは今年オカダ・カズチカさんと結婚されました。おめでとうございます!

 

夜遅くまでCoDの殺伐とした戦場に身を置き、汚れ荒み切った心身を抑え込もうとゲームを落とし、テレビに切り替えた途端に目に映りこんできたユートピア。それが僕とGJ部との出会いです。途中からは心を癒すためにGJ部を見るのではなく、GJ部を見るためにゲームをしていました。

 

そんな僕の思い出話に興味はないと思うので、さっそくですがGJ部について話します。が、まず初めに断っておくと、僕自身この作品をTVシリーズ+OVA+OVA付属特典でしか知らないので、解釈違いが起きることが予想されます。その時は波風を立てず穏便にSchool Days最終話を見て我慢してください。原作はお金に余裕ができたら読みます。

 

このアニメは四ノ宮京夜という男子高校生がGJ部という何をするでもない部活動で、部員の女の子にいじり倒される日々を送るという話です。が、恋愛モノではなく、ハーレムモノでもなく、ギャグアニメでもなく、まさに日常モノ、部活モノアニメです。

 

このアニメの魅力は3つあります。

1. キャラクターがひたすらに可愛いこと

2. どこまでも日常系であること

3. OP, ED, Cパートに遊び心があること

4. 1クール+OVAで完結しきった物語であること

特に4がとても重要です。3は演出上の重要なネタバレを含むため、これから見る人は注意してください。

 

1. キャラクターがひたすらに可愛いこと

 

日常系アニメですからね。キャラクターは非常に大切です。

キョロ(四ノ宮京夜 CV : 下野紘(当時32歳))

部長(天使真央 CV : 内田真礼(当時23歳))

しおん(皇紫音 CV : 三森すずこ(当時26歳))

めぐみ(天使恵 CV : 宮本侑芽(当時16歳))

きらら(綺羅々・バーンシュタイン CV : 荒川ちか(当時13歳))

タマ(神無月環 CV : 上坂すみれ(当時21歳))

f:id:spds:20191228233205j:plain

緑髪 : タマ, 紫髪 : しおん, 金髪 : きらら, 茶髪 : 部長, ピンク髪 : めぐみ, 中央 : キョロ

 

このアニメはキョロを中心に進行します。GJ部のメンバーはみんなキョロのことが好きです。しかし、ここの好きは恋愛感情ではなく、友達として、と言うのも少し違います。1番近いのは部活の先輩と後輩の関係ですね。キョロから見るとめぐみちゃんが同級生、タマが後輩、あとの3人が先輩にあたるので当然と言えば当然なのですが、キョロをはじめGJ部員同士の接触には、必ず相手を慕う気持ちが感じ取れます。これは言葉では表現し切れないので本当に見てくださいと言うしかありません。見ろ。

 

まず部長。CV内田真礼(敬称略)の元気っ子。身長138cm。往々にして横暴で、しょっちゅうキョロに噛みついたり蹴りを入れたり、ほぼずっと部室のカットしかないこの作中で暴れまわり作画リソースを喰らいつくします。喜怒哀楽が顕著に表れるキャラですが、どの感情の際にも必ず安堵の気持ちが入っているように感じられます。1番キョロをないがしろにしているように思える部長ですが、第3話でからかわれすぎて拗ねるキョロに対し、逆に拗ねて泣くのが部長です。内田真礼の喜怒哀楽全てを同時に表現したような演技が素晴らしい瞬間です。このアニメの第1話のAパートは部長が椅子に登って蛍光灯を変えようとするところから始まるのですが(全く届いていない。可愛い)、キョロが手伝おうとすると「だめだ。これは部長の仕事だ」「不可能だろうと何だろうと、私がやるったらやるのだ」と、先代の部長から任された仕事を完遂しようとします。OVAでも著しくそうなのですが、最もGJ部のことが大好きで、GJ部の掟を重んじます。

 

次にしおんさん。純度100%の三森すずこで、もはや有毒とさえ感じられます。誰に対しても対等に接する優等生ですが、度々キョロやタマに対してお姉さんな態度を取ります。彼女はGJ部6人の中で唯一弟や妹がいないため、そういった憧れを持っています。常識欠乏症で、カップラーメンやハンバーガーの食べ方や缶コーヒーの味わいなどをしらないといった属性もあります。部長がタマにネコミミカチューシャを着けさせようとした際、タマがネコミミを付けたら凶悪的に可愛いと言うキョロの言葉を聞き、勝手にネコミミを奪いつける瞬間がものすごく可愛いです。第2話で「恋とかそういう気持ちが私はよくわからない」と言っておきながら、1番キョロに対して恋愛に近い感情を抱いているように見えます。可愛いエピソードを部長と同じくらいたくさん持っていますが、それをここに書き連ねるのは卒論を完成させる以上の労力になるのでこれくらいにしておきます。

 

f:id:spds:20191229130418j:plain

しおんさんのおちゃめポイント

 

そしてめぐみちゃん。CV宮本侑芽のテレビアニメ初主演作品がGJ部で、このときは16歳。純真無垢で穢れのない甘い声というとんでもない声が特徴。恐ろしい。真央の妹で、多くのセリフからお姉ちゃんのことが大好きであることが感じられます。また、聖羅という妹とも仲が良いです。京夜にキョロというあだ名をつけた本人ですが、キョロのことをキョロとは呼ばず、四ノ宮君と呼びます。入れた紅茶をキョロが飲んでくれるのが楽しみで、キョロがいない際には他のメンバーがいても、「お茶を飲んでくれる人がいないじゃないですか」と落胆する場面も。最終話では卒業式の後の夕暮れの部室で、最後に会いに来なかった部長の態度に寂しさを覚えるキョロに対し耳元で「恥ずかしかったからなんですよ」と囁き、背中合わせに「お姉ちゃんが四ノ宮君と二人きりにならなかったの、あれって恥ずかしかったからなんです」「ドントではなく、キャントです」と言う場面が最も印象的です。お姉ちゃんの話をしているのになぜかヒロイン力を爆発させるんです。誰も勝てない。

 

さらにきらら。CVはOPを歌う乙女新党のメンバー(当時)の荒川ちか。このとき13歳。え?13歳?きららは180cmのGJ部ネコ科の肉食系留学生。話す時はカタコトだけれど、義妹ジル同様に文書で会話をする際は流ちょうな日本語を使います。いつも一人でお肉を食べており、絶対に他人に肉を譲らないのですが、キョロだけには肉を分け与えます。しおんさん曰く「哺乳類の内、群れを作る種では上位の個体が回の個体に餌を分配する。つまり、彼はきららにとって保護対象とみなされているわけだ」ということです。さらに、部長が肉を横取りし「じゃ私なんか部長だ。いっちゃん偉いぞ。よって肉の分配を決定する」と言うと、部長から肉を取り上げます。きららの中では部長は偉くなく、保護対象でもないんですね。キョロに風邪を移してしまった時はしゅんとして、キョロから風邪を移されることでキョロの風邪を治そうとします。トラと戦ったことがあると言い、阪神タイガースの大ファンです。ネコとも会話します。このとき、キョロに「きららの家にはテレビないんですか」と聞かれ「ここにあるよ」と答えています。GJ部はきららの家なんですね。

 

最後にタマ。CVは上坂すみれで、非常にあざと可愛い声をしています。初登場は第7話で、それまでのOPでは後ろ姿しか映らないのですが、以後のOPでは振り返り、他メンバーと一緒に踊ったり写真に映ったりします。1番後輩ですが、非常に生意気な言動をします。が、口調はですます調で、本人的には先輩を敬っているらしく、みんなに愛される後輩です。非常に大食いで、お菓子やめぐみちゃんの作るケーキをバクバク食べますが、本人曰く太らない体質で、体重を気にするめぐみちゃんからは敵視されています。弟と妹が何人かいて、家だとおやつを独占できない背景があります。実家が神社で巫女をしていますが、お医者さんごっこの時のナース服姿もヤバいです。ヤバいです。部長にネコミミを着けさせられそうになった際、頑なに断りますが、キョロの「可愛いと思いますよ」「タマが本気を出したら凶悪すぎますよね。可愛すぎて生きているのがつらくなりそうです。だからやらない方がいいのかな」という言葉に、ネコミミを着ける決心をします。しおんさんに取られましたが。妹が欲しいしおんさんには特に可愛がられていますが、本人は撫でられると迷惑なご様子。

 

f:id:spds:20191229142101j:plain

タマで妹成分を補給するしおんさん

 

おまけにキョロ。唯一の男子キャラでハーレム状態ですが、CV下野紘の飛びぬけた演技力もあって、非常に憎めないキャラです。めちゃくちゃ美味しい目に遭っているのにこれほどまでに許せるキャラ、他にいないでしょう。見てもらった方が早いので見ろ。か弱い男子で、GJ部の部室の前の廊下を歩いているところを捕獲され、強制的に入部させられましたが、GJ部を非常に大切に思っています。普段の一人称は僕ですが、俺マンというキリっとしたキャラクターを演じたり、女装させられてまんざらでもないという一面を持ちます。ブラッシングが得意で、GJ部メンバーはもちろん、妹の霞や天使家の最強メイド森さんまでもを篭絡します。非常に受動的なところがみんなから好かれるんですね。めちゃくちゃ可愛い女の子がたくさん出てくるアニメなのに、彼女らに負けないくらい可愛いです。下野紘、可愛い。

 

 

他にも、天使家のメイドの森さんや、キョロの妹霞、天使家末っ子聖羅、きららの義妹ジェラルディンといったキャラが出てきますが、すでにとんでもない文量になってしまったため割愛します。

ちなみに霞役木戸衣吹は当時15歳で、聖羅役諸星すみれは当時13歳、ジェラルディン役葵わかなは当時14歳と驚きの若さ。

 

f:id:spds:20191229154735j:plain

天使家侍従の森さん。キョロの趣味に合わせて登場のたびに回ってくれる。

 

f:id:spds:20191229155052j:plain

左から聖羅、霞、ジェラルディン(ジル)

 

2. どこまでも日常系であること

 

キョロ曰く「イベントを楽しむのがうちの部の伝統じゃなかったんですか?部活動しましょうよ」とのことで、GJ部という部活が何をする部活なのかは明らかにされていません。GJ部は12話+OVAですが、部室以外でのシーンはほとんどありません。TVシリーズ中は駅前やファミレス、四ノ宮家や天使家でのシーンがわずかにあるくらいでしょうか。OVAではNYに行きますが、NYに出現したGJ部部室から出たシーンは描かれず、後半も駅前や雑貨店、公園、校内くらいです。じゃあなにするの?っていうのは、みんなでキョロをいじったりタマをいじったり、めぐみちゃんが淹れた紅茶を飲んだり、あるいは同じ空間にいるだけで個人で読書、チェス、食事等に勤しむのがメインの活動になっています。同じ時間、同じ空間を共にするのがGJ部なんですね。部活というよりは、友達の家にみんなで集まったり、自宅で家族を背に趣味に没頭する、という生活に近いです。ギャグや恋愛、人間関係のごたごたなどの事件があるわけではないのですが、この光景が微笑ましく、そして尊く感じられるのです。ただ、前述の通りGJ部はイベントもあります。部室で水着になってはしゃいで、夕方は浴衣で夏を満喫したり、バレンタインにキョロにチョコをあげたりあげなかったり。他にGJ部の活動で印象的なのは、いろんな衣装を着ることですね。前述の水着や浴衣はもちろん、メイド服、執事服、動物コス、巫女、学ラン、ハロウィンコス、アメリカンコスなど、場面場面でいろいろな衣装が見られます。ありがとう動画工房

 

3. OP, ED, Cパートに遊び心があること

すでにアニメの内容に多分に触れていますが、ここは演出上重要なネタバレになってしまうので、注意です。

OPやEDの描写が途中から変わる、あるいは特殊OP、特殊EDがあるアニメはそう珍しくもないと思いますが、このアニメはEDとCパートが特殊です。

OPに関して言えば、第7話登場時まではタマが後ろ姿しか見せないのが、振り返り、随所に描かれることくらいですね。曲は乙女新党の「もうそう★こうかんにっき」です。ちなみにきらら役荒川ちかと妹ジル役葵わかなは乙女新党のメンバーです。

EDはなんと4種類(+OVA1種)もあります。最初の2話は部長とめぐみちゃんが歌う「I wish ~ときめきの魔法~」。デフォルメキャラの2人が踊るアップテンポで元気な曲です。めちゃくちゃ可愛い。次の2話はしおんさんが歌う「balance unbalance ~ホントウ ノ ワタシ~」。この曲はヤバいです。ヤバいです。マジでヤバいです。これは聴く曲ではなく見る曲なので、ぜひ映像と共に視聴してください。次の2曲はきららの歌う「Purely Sky ~私だけの空~」。構成としては雨の中を歩くきららが音に合わせてステップを刻んだり、回ったり、傘を回したりとなっており、原画をそのまま繋げたような動画なんですが、それゆえにインパクトのある激しい動画になっています。残りは部長、めぐみちゃん、しおんさん、きららの4人で歌う「走りだそう!」。萌え萌えですよ(タマ風)。OVAは部長、めぐみちゃん、しおんさん、きららに加え、タマの5人が歌う「広がれパワー」。GJ部式卒業ソングです。GJ部を卒業しても絆は繋がっているといった趣旨の歌詞になっています。最後の「信じて進もう。君が待ってる。嬉しすぎるよ。君を待ってる」で体中の水分が枯れ果て残留思念のみが残ります。曲は他に挿入歌「GRADUATION COLOR」とOVAの特典に「おさんぽHOLY DAY」、その他キャラソンが多数あります。

そして、これが1番強演出なCパートですね。第1話から第11話まで、EDと次回予告の間にCパートが挿入されています。外がすっかり暗くなった冬の部室でいつも通り何もなく過ごすといった内容です。これは第1話から第11話まで一続きの話を11分割して配置したものなのですが、なんと最終話のアバンに直結するんですよね。そして、このCパートがGJ部3年生の卒業式の前日最後の7分間であることが明らかになります。第11話でBGMが消える中での部長とキョロの会話がなんとも切ない。この演出により、視聴者は思い知らされるのです。GJ部は終わりを迎えるのだと。

 

 

 

 

 

4. 1クール+OVAで完結しきった物語であること

これが多くの日常系作品からGJ部を際立たせる最大の要因です。そう。終わるのです。原作的には中等部の話や回想など、TVで触れられていない話もあるのですが、TV的にはこの1クールで綺麗に終わります。

話の初めはキョロがGJ部に拉致られて、体験入部的な何かになっている状態から始まります。このときはキョロが1年生で、部長らが2年生。3年生部員はいません。部長は先代の部長から任された蛍光灯を変えようとしています。第7話で各自学年が上がり、タマがキョロ同様に拉致られて部員になっています。そして第12話で部長らの卒業式を迎えます。この時間の経過が、「長かった高校生活も気づいたら終わってしまった」という、皆が体験したであろう感覚を引き起こすのです。

最終話でキョロがしおんさん、きららにそれぞれ呼び出され2人きりになるシーンがあります。BGMなし→切ないBGMになる印象的なシーンで、先輩ともついにお別れの時が来るのだなと悟らされます。

第1話ではキョロがティーカップを割ってしまった際にめぐみちゃんが「形あるものはいつか壊れるんですから」。第7話では先代部長の言葉として部長が「あらゆる物事には始まりがあり、終わりが来るものなのだ。だからこそ輝けるものなのだ」。OVAではしおんさんが「これからもGJ部は大丈夫だね」と言い、きららが相槌をうち、真央の「まあ、ロスタイムも終わりってとこだな」という言葉にめぐみちゃんは寂しげな表情を見せます。こういったセリフにも終わりを意識した作品であることが感じられます。

部活動最後の日、あるいは卒業式という人生に幾度とないしんみりとした感情を12話でぶつけてくるのです。このしんみり感は他のアニメでは到底味わえません。

 

 

 

これで終わり......ません。初めに書きました。GJ部は部活動なんです。たびたび話の中に先代部長が登場します。「先代部長って何ですか?この生き物って生まれた時から部長なんじゃないですか?」というタマに部長が噛みつき、GJ部卒業式でキョロが「人は部長に生まれるのではない。部長になるんですね」というように、GJ部は縦に続いていきます。さらに、GJ部は永遠の絆で結ばれています。俺マンキョロは卒業生に「天使真央、皇紫音、綺羅々・バーンシュタイン。本日をもって、貴様らはGJ部部員を卒業する。だが憶えておけ。GJ部は永遠である。我々GJ部姉弟の絆で結ばれている。貴様らが、いついかなる場所にいるときであっても、我々は常に、共にある。以上」と言い放ちます。GJ部というアニメはここで終わるのですが、GJ部は永久不滅に広がり続けるのです。

 

 

 

ずいぶんと長くなってしまいましたが、どこかで終わりにしないとならないのでこれくらいに留めておきます。結局、完結するとか言っておきながら1番言いたいことはGJ部は永久不滅ということです。GJ部のコンパクトディスク、「GJ部 りぴーと!でぃすく」では第1~12話のリピート再生機能に加え、第1~11話のリピート機能がついています。さらにOVAにおいて、監督はブックレットで「GJ部にとどめをさす」みたいな言い方をしたと言っており、後半の話もGJ部から抜け出せずにいる真央の背中を押すような内容なのですが、その実、主題は「絆は、永遠」であり、EDは「広がれパワー」、ディスクタイトルは「GJ部@」(グッジョぶぐるぐる)と、終わりのない物語であることを示しています。

 

f:id:spds:20191230165055j:plain

 

ちなみに「さくら荘のペットな彼女」「てさぐれ!部活もの」も近い感覚になれるアニメなので、ぜひ見てください。

それでは、ごきげんよう